「論より証拠」

  

「好きだ」

 

そう彼が言った夢を見た。

目覚めて、泣いている自分に気付いた。

彼のその言葉を、自分は待っている・・・?

 

分からない。

言葉は無くても、彼はその腕で、胸で、瞳で、告げてくれるから。

彼が胸に秘める、熱い想いを。

それで、私の心は満たされる。

 

わたくしも彼と同じだから。

この想いを、「好き」という一言で括ってしまうのは、

あまりにも簡単すぎて、悲しすぎるから。

 

けれど、けれど・・・。

きっと・・・。

 

もしも、この夢が正夢になったら、彼が「好き」と言葉にしたら・・・。

自分は今のように泣いてしまうだろう。

幸せすぎて。

 

何て矛盾。

けれど、それはきっと正しい。

 

論より証拠。

一人で考えても仕方が無い。

 

今は、そう、これが正夢になるよう、一人、祈ってみる。

 

Fin

 「あとがき」
今回は「ら行」の「ろ」です。うーん、わからない。
書けない。題名は言いと思うんだけど、それに合う話が思い付かなくて・・・。
とりあえず、思いつくままに書いてみましたぁ。

ヒイロって、「好きだ」とか言わないよね、きっと。でも、言ったら・・・嬉しいかも。
さて、次回は「わ行」。ラストスパート。最後まで頑張ります。
2005.1.21 希砂羅