「瑠璃色乙女」

 

その揺れる髪に、何故、こんなに心は捕らわれるのか。

瑠璃色の髪。

陽の光を反射して、その輝きは、誰よりも眩しい。

 

「ずっと伸ばしているのか」

自然に下ろしたその髪の一束を手に取る。

「ええ。小さい時から。毛先をそろえることはしますが、

この長さから短くしたことはないわ。それが、どうかしたの?」

「いや、ふと思っただけだ」

「・・・切ろうかしら」

自分の髪を触り、彼女がぽつりと言う。

「切る?」

「どう思いますか?」

「・・・今のままで、いい」

思ったことをそのまま答えると、彼女は微笑んだ。

「そうですか。あなたがそうおっしゃるなら、このままでいましょう」

 

風に揺れる髪。

その様はとても優雅で、彼女の人間性を物語っているようだ。

  

彼女が愛しい。

この髪は彼女の一部。

だから、惹かれるのだろう。

彼女が持つ、その全てに。

 

瑠璃色に光る髪。

瑠璃色の乙女・・・。

 

Fin

 

「あとがき」
今回は、「ら行」の「る」です。
「る」の付く言葉がなかなか思いつかず、大変でした。
ある時、「瑠璃色乙女」という言葉がパッと浮かんだものですから、それを題名に置いて、2,3日後に書き始めました。
なかなか先に進まず、苦労しました。

内容は薄っぺらですね。ごめんなさい。これで精一杯です。
次回は「れ」ですね。頑張ります。
2005.1.14 希砂羅