「出会いは運命の道しるべ」


「お前を殺す」
冷たい抑揚の無い声で、彼は言い放った。
涙を拭ってくれた指に、安堵を覚えた心は、すぐに凍りついた。


また、思い出してしまった・・・。

けれど、今ではもう、良い思い出。

誰も寄せ付けようとしない、冷たい空気を纏っていた彼は、
今はこうして、優しい空気を纏い、わたくしの側にいてくれるのだもの。

贅沢よね・・・わたくし。


「眠れないのか」
「ヒイロ・・・。起きていたの」
「ああ・・・」
「夢を見て・・・目を覚ましてしまったの」
「怖い夢か?」
彼が半身を起こしてわたくしの髪を撫でる。
その手に自分の手を重ね、いいえ、と首を振る。
「いい夢でした。とても・・・よい夢」
「そうか・・・」

そう、良い夢だ。
彼と出会った頃の思い出だから・・・。

良い、思い出だから・・・。

Fin


「あとがき」
GWを知って、好きになってから8年余り(緑川さんの声に惚れなかったら、GWにも興味を持たなかっただろうなぁ)。しかし、全話を真面目に見たのは1、2回しかないんですよね、私。好きになったのが、TV放映が終了して、OVA化の話が出ていた頃なので。動く彼らではなく、資料(アニメ雑誌の切り抜きや資料集など)の中の彼らを見て、お勉強?してました。CDを集めようと、お年玉を片手に親を連れまわし、CD屋巡りをし、一日で全部揃えたり(友達には笑われてしまったけど)、本屋へ行くたびにGW関連のものを探したり(その頃は中古屋にも普通の本屋にもGW関連のものはいっぱいあったからね〜)、時には自分の財布から、時には親にねだり。はあ、GWにいくら使ったことでしょう。全ては・・・愛のためね。
最近、TV本編を急に見たくなって、真面目に見たら、面白いですね〜。みんな素敵!各キャラの一言一言にクッと笑いが込み上げたり。一喜一憂しております。BGMも好きです。
でも、ヒイロが自分で骨折を治すシーン(第3話)には、思わず顔を歪めてしまった・・・。やめてくれ、ヒイロ。心臓に悪いっす。
 て、話のあとがきではなく、GWの思い出を語ってしまったよ。
最後に、今回の話は題名がなかなか決まらなくて、悩みましたが、今の題名がふっと頭に浮かんだので付けてみました。話と合ってない?まあまあ、気にするな。いつものことだから(苦笑)。

2004.2.24 希砂羅