「チョコレート」
甘い・・・甘いチョコレート。
その固まりを口に入れた途端、ゆっくりと溶けてゆく、その様は、
恋へ落ちる瞬間にも似ていた。
口付けを交わす恋人たち。
甘く溶ける、その時間に、心は夢心地。
ふわり、ふわりと揺れ、甘い時間を漂う。
ゆっくりと離れてゆく唇に、心に少しだけ、隙間風。
それが寂しくて、切なくて、両腕を伸ばし、もっと・・・と口付けをせがむ。
甘いチョコレート。
甘くて、甘くて、心さえ、溶かしてゆく。
そんな口付けに、酔っている。
だから、離れられない。
側にいて、と手を伸ばす。
睫を濡らし、その瞳へ、自分の姿しか映らないように。
止められない。
やめられない。
この甘くて蕩けそうな、チョコレートにも似た、恋からは・・・。
Fin
「あとがき」
今回は、「た行」の「ち」です。
それから、久しぶりにこういう書き方をしましたね。小説とはまた違う、モノローグ?みたいなもの。
一応、ヒイリリのつもりなんですが、名前出してないから、わかんないね。
その後に「チョコレート」がふいっと出てきたので、急遽変更。
バレンタインネタにもしようかと思ったんですが、時期がまだ早いのでやめました。
甘い雰囲気に酔っていただければ嬉しいな、と思います。
さて、次回は「つ」ですね。
次回も頑張りますぞ。
2004.11.19希砂羅